第3章 絶対に、待っててね【オリオン】
と一緒に食べたかったから、お皿を二つ持ってきて、それぞれに一つずつ乗せて。
久しぶりに、一緒に「いただきます!」って言った。
「ん~~~!!! 美味しい! 美味しいよ! 甘くて、ふわっと香りが広がって!」
「喜んでもらえて良かった!」
「……ボク、人間になって良かった」
「そんなに? チーズケーキ好きなんだねぇ」
「あ、いや、それもあるんだけど……」
もちろん、こんなに美味しいチーズケーキを、自分の味覚で美味しいって思いながら食べられること、凄く幸せ。
でもね、それ以上に。
キミの隣に居られること。
キミの料理が食べられること。
キミに、触れられること。
8月の間、何度も望んだことが、今こうして叶ってる。
それが、とても嬉しいんだ。
それを伝えたら、キミもにっこり、嬉しそうにして。
「……うん、私も凄く嬉しい」
「へへっ、ありがとう!…………でもなぁ」
「? どうしたの?」
「できれば……せめてシンやトーマくらいの歳になりたかったな。そしたらキミのこともっと守れるし、もしかしたら彼氏としてもっと傍に……」
え、ボク今、なんてこと……。
やばいやばいやばいやばい!
「うわぁぁ! なんでもない! 今のは聞かなかったことにして!」
「……聞いちゃダメなの?」
「そんなイタズラっぽい顔してもダメ! 教えないから!」
びっくりしたぁ! 何言っちゃってんだよボク!
これはまだ言っちゃいけないことだったのに!