第3章 絶対に、待っててね【オリオン】
「ねぇ、何飲みたい? いつもボクに合わせてもらってるから、今日はキミに合わせるよ!」
「ありがとう。そうだなぁ……じゃあ、いつもの紅茶が飲みたい」
「え? いつものって、ボクが大好きで、キミにいつも煎れてる? それでいいの?」
てっきり、コーヒーとかって言うんだと思ってた。
でも、嬉しい。ボクが好きなものを、キミも好きになってくれた。
「うん、あれ美味しいんだもん、今日も飲みたい」
「……そっか、わかったよ! 心を込めて煎れるね!」
そっか、そんなに気に入ってくれたんだ。
チャイ風味の、ミルクと砂糖が沢山入ったあの紅茶。
嬉しい。
2つカップを持って、一つをの前に置いた。
「そうだ! キミ、チーズケーキ作ってくれたんでしょ? せっかくだからもう食べたいな」
「あ、そうだね。お口に合うといいけど」
「合わないわけないない! キミの料理は、キミの味覚を通じてボクにも届いてたし! キミの料理何でも美味しいしさ」
「ふふ、オリオンったら」
クスクスと笑いながらも、テーブルに出してくれた、切り分けられたチーズケーキ。
凄く綺麗な色で、なんかもう、あからさまに美味しそう。
うわぁ……早く食べたい!