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よるがあけるよ

第3章 平和主義者


「はぁ~い……」
「……わーったよ」
6Eに聞こえないように、42Bは歯軋りをし17Bは小さく舌打ちをする。
「うむ、では引き続き調査を頼むぞ」
そう言って6Eは2機から背を向けた。その途端、背後から大きな音がする。
「………!」
反射的に振り返ると、今しがた仲裁した2機が激しく殴り合っていた。
「死ね死ね死ね死ね死ね!」
「テメーが死ねよ、今日こそそのふざけた自我データをぶっ壊してやる!!」
17Bが42Bの槍を避け、肩を掴み車体に押し付けた。
42Bの体が車体にめり込む。
「ぐぁ……!」
傷付いた42Bはもがいて反撃をする。押し付けられた衝撃で車体の凹みが割れ、鋭利な角になっていた。
17Bの頭部を掴んで引き寄せ、その勢いのままに尖った破片に突っ込ませる。
暴れる2機を、機械生命体達は離れた所で怯えながら見ていた。
6Eが2機を止める為、急いで自身のポッド027に放電をさせる。
「い"ッ……ア"ア"ァ"……!!」
「ひぎぁぁあーー!!!」
バリバリと2機と車体に高圧な電流が流される。
ほんの一瞬の刺激だったが2機ともに大人しくなった。
「まったく……何度言えば分かるんだ」
返事をする気力もない2機は車体から崩れ落ちる。42Bは肩口が破損し、17Bの頭部には刺さった金属板が抜けることなく車体から折れて付いてきていた。
「反省しろ、さもなくば謹慎もしくはチームから離脱して……」
言いかけた時、6Eは何かに気付き周囲を見回した。
「……ア"……ァ"ア"…………」
近くで呻き声がする。低く掠れたような声だ。
「ア"……ア"ア"ア"……ア"ンド、ロイド……」
すぐ近くの車体が揺れ始める。下から激しくガチャガチャと動く音も聴こえた。
「アンドロイド……危険……壊ス……壊ス、殺ス………」
「なっ……コイツも喋るのか!?」
6Eは咄嗟に武器を取り、列車に向ける。
列車や6E達の様子を見て、22Eと31Bが駆け寄った。
「何事だ?」
「報告:敵性反応あり。推奨:特殊機械生命体の破壊」
「さっきまでそんな反応は無かった筈なのに……!」
負傷した42Bと17Bを引きずり機械生命体から遠ざけながら、3機は武器を構えた。


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