第7章 大規模侵攻作戦
たしかに自分自身の素性すら分からないような曖昧な存在だ。発する情報の真偽があまりにも疑わしいのは仕方のないことだった。
「そ……そうかもしれません。すみません、変なこと言ってしまって」
謝りつつも、まだ頭の整理がついていないようで丸頭は視線を落としたままだった。
『あんまり気にしないで。人類が居なかったら、私たちアンドロイドは今頃地球で好き勝手に暮らしてるはずだよ。ちゃんと統率されてるってことは、まだ主である人類たちは確実に生きてるってこと。』
「……は、はい。そうだと……いいですね」
10Dの励ましのような言葉に頷く丸頭だが、上下する歯列から零れたのはどうにも歯切れの悪い返事だった。