• テキストサイズ

よるがあけるよ

第2章 壊された電灯


『……待ち伏せは止めた方がいいのかな。』
取り敢えず端から倒していこう、と10Dは武器を手に立ち上がる。
そのまま飛び下りて周辺に敵意のある機械生命体が居ないかどうか見回した。
『ポッド、明かり点けて。』
「了解」
暗闇に自身の姿を照らし出す。探すのが面倒なので寄ってきた奴からしばき倒そうと考えた。
すると、少し離れた所からガシャンガシャンと音がする。
音のする方を振り返ると、小型短足の機械生命体が両腕を振り回しながら近付いて来ていた。
「オノレ、同胞のカタキー!」
『…………!?。』
突然聞こえてきた聞き慣れない声に10Dは動揺し、近くに自分以外のアンドロイドが居るのかと辺りを確認する。が、そんな人影は一切ない。
『今の誰?。』
機械生命体に武器を構えながら10Dがポッド107に目を向ける。
「推測:司令官からの依頼にあった「人語を扱う機械生命体」の類い」
『えっ、まさかアレが喋ったの?。』
段々と距離を詰めてくる機械生命体にまた注目する。
「我々の仲間ノ死体をハリボテにしオブジェとシテ飾ルトは何ト悪趣味な! コノ変態アンドロイド! 恥ヲ知れ!」
なるほど確かに機械生命体から聞こえてくる、と10Dは納得した。
『ってか、それ設置したの私じゃないんだけど!。』
当たりそうになった敵の腕を避けながら10Dが反撃を繰り出す。
刃先は胴体をかすり、左腕を打ち壊した。
「下劣ナ悪魔メ! コノ私のコトもモレナく光るオブジェにスルつモリなノダロウ!」
残った腕を全力で振り回し特攻する機械生命体。
『ちょっと待って……! 喋れるってことは会話も出来るってこと?。』
向かってくる機械生命体と一定の距離を保ちながら10Dが話し掛ける。
「ナメるな! 貴様らアンドロイドだトテ言葉ヲ扱うダロウ! ソレと同ジ事だ!」
『じゃあ教えて。どうして同じ機械生命体の形をした物を壊したの?。』
アイビスが知りたがっていたことを聞き出そうと問いかける。
「ハッ、タワケ! 壊シタノは私デハナイ! 私の仲間が壊しタのだ! 仲間はオブジェにサレタ同胞を壊すコトデ、同胞のオブジェとしての役目ヲ終ワラセようトしたノダ! 言うナレバ解放だ! そしタラ、仲間はオブジェを壊シたカラと貴様ラアンドロイドに殺されテシマッたのダ! ダカラ私はソノ仇を討ツノだァー!!」
右腕を振り被りながらも機械生命体は律儀に返答をした。
/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp