• テキストサイズ

よるがあけるよ

第6章 目覚め


激しい攻防を繰り返していた10Dは疲れ果てた様子で一度距離を取った。ポッド107も忙しなく稼働しているため、クールダウンに時間が掛かっている。
『はぁ……キリがない。』
さっきから守ってばかりで、敵にダメージを与える機会が回ってこない。
来た道側へ行きそのまま逃げる作戦も思い通りにいっていない上、怪獣型に少しずつ押され崖の際に一層近付いていた。
距離を取ったものの、怪獣型はすぐに追い掛けてきて次々に攻撃を浴びせていく。
1体だけなら何の問題もないのに、と10Dは悔しそうに顔を歪めた。
勝算は駆け付けてくれる応援の仲間でしか望めない状況だ。一緒に戦えば、あっと言う間に片付けられるだろう。けれど未だに来る気配はない。
避けることに精一杯になっている10Dは自爆して切り抜けようかとも迷うが、それでトドメを刺せるかどうかは甚だ疑問であり非常に不確実な方法なため即決には至れなかった。
今は戦えるだけ戦おう。手足がもげたら自爆しよう。
絶え間なく続く猛攻を紙一重に躱す。大きな外傷はないものの、少しずつダメージが蓄積していった。
人工皮膚が所々裂け、スカートの端が焦げて崩れていく。
大丈夫。四肢が動く限りは大丈夫だ。武器が握れるのならまだ救いはある。どうにか生き延びて拠点に戻らなくては。
私はまだ壊れるわけにはいかない。
いつか14Oと交わした約束を思い返しながら、10Dは小剣を握り直した。









/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp