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よるがあけるよ

第6章 目覚め


『一気に突っ込むよ!。』
今回は物陰に隠れることなく、広場を1体で彷徨く怪獣型に向かってまっすぐ走って向かう。
『ポッド、レーザー。』
まだこちらに気付いていない怪獣型にレーザーを放った。
衝撃で重心がズレ、怪獣型が少しよろけて傾く。その瞬間押し倒すように10Dが飛び掛かり、小剣を怪獣型の機体に刺して切り払った。
1発で仕留めたと10Dは確信し、流れのままに敵の亡骸を蹴って更に奥へ跳ぶ。
回転して着地を決めたと同時に背後で爆破音が響いた。偶然にも十字路の真ん中でそんな事になったため、10Dは自然と得意げな表情になっていた。
やってやった、と満足げに10Dが振り返る。
「警告:敵機械生命体の増加」
後ろから追いかけてきていたポッド107がそんな事を言う。ガトリングの照準は定まっていなかった。
10Dの両側の通路から紫色の光が溢れる。
次の瞬間、10Dを貫こうとばかりに鋭い光線が射出された。
『…………っ!!。』
後ろ返りで避け、すぐさま通路を窺う。
左右の通路から合わせて5体の怪獣型機械生命体が現れた。
『しまった……!。』
言葉と共に10Dがポッド107を連れて走り出す。元来た道は塞がれてしまった。
「報告:そっちは崖」
『わかってる。でも他に道がないの。』
走りながら後ろを窺う。5体とも10Dに向かって迫ってきている。
射たれる光線や火炎放射を寸でのところで避けて先へ進んだ。
『あぁ、もう崖が見える……。』
焦った様子で立ち止まり、10Dは仕方無しに怪獣型の方に向き直る。
『ポッド。戦ってる内に元来た向こう側に行き着けるだろうって算段はどうかな。』
「報告:低確率かつ無謀」
『はは……同感。でもやらないよりマシでしょ?。』
「同意」
『あーあ、待機しとけば良かった。』
乾いた笑い声の後に溜め息がこぼれた。
10Dは小剣を構え、迎撃体勢に入る。ポッド107もまたクールダウンを済ませてレーザーの準備を整えた。
眼前で紫の光がほとしばる。
『……こういう時に限って、応援って来ないよね。』
放たれた光線を避け、10Dは敵の懐に潜り込んだ。内部のコアを貫き、振り返る動作のままに腕を大きく振るう。スウィングの動きで近くに居たもう1体にも斬撃を浴びせた。
火炎と光線が高頻度で放たれ、それを避ける10Dを追撃しようと尻尾や飛び蹴りが襲う。
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