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【YOI男主】激突!皇帝VS風雅人・長谷津冬の陣

第4章 日露2大怪獣・ゆ~とぴあの決戦。


「あんたの目ぇから見た勇利のジャパンナショナルの演技と、今後ひとまず四大陸に向けての改善点を、今からロシア語で話してくれるか?」
「英語じゃなくていいのかい?」
「勇利も英語は達者やけど、母国語やないとどうしても細かいニュアンスが伝わらへん所があるからなあ。かと言って、あんたのようなフィーリングタイプは理論整然と文章にして纏めるのは苦手そうやし」
タブレットをロシア語入力に切り替えた純は、スマホの録音アプリを起動させると、ヴィクトルに「出来るだけゆっくり喋ってくれ」と提案する。
「何故?」
「あんたの喋りを、僕がまずはロシア語で文書に起こす。そして、あんたにチェックして貰うてから日本語訳と一緒にこの録音も勇利に渡す。あんたからのアドバイスを聞くついでに、勇利がロシア語の勉強も出来るやろ?」
「あ…」
英語やロシア語を始め5ヶ国語以上をマスターし、それ以外の国も日常会話程度なら暫く聞いている内に容易に理解してしまうという言語の天才な部分を覗かせた純に、ヴィクトルは思わず目を見張る。
「どうして、そこまで…」
「勘違いせんといてくれ。あんたの為やない。勇利と僕自身の為や」
「お前自身の?」
「そ。僕のコーチやった人が、がさつな割には結構面白いフィギュアやスポーツのコラムを、ブログにあげとんねん」
「あ、それってヒゲの恋人?」
「…ゴホン。ただ、日本語オンリーやからアクセス数今ひとつでなあ。ええ機会やから、僕がそのコラムを英語とロシア語に翻訳したろかと思うて。その前にあんたのコレは丁度ええ練習になりそうや」
右頬に笑窪を作りながら返事をする純を見て、ヴィクトルも自分のスマホを取り出すと、動画フォルダから全日本での勇利の演技を呼び出した。
「SPとFS、1回じっくり見てからでいい?」
「勿論や」
先程よりも真剣な顔つきになったヴィクトルに、純は首肯した。
「──アリガトウ」
「…礼はいらん。僕は、これから勇利がもっともっと素敵なスケーターになって、GPFやワールドの国際大会で表彰台の1番高い所から、あんたの輝くデコとつむじ見下ろす日を楽しみにしとるだけや」
「…そこまで危険じゃないよ!」
ムキになって反論し始めたヴィクトルを見て、純は声を上げて笑った。
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