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【YOI男主】激突!皇帝VS風雅人・長谷津冬の陣

第4章 日露2大怪獣・ゆ~とぴあの決戦。


外気の肌寒さも気にならぬ程、2人の体温と特に頭には血が上っていた。
彫刻のようなヴィクトルの白い肢体と、彼には劣るもののつい先日までは現役の選手で、日本人にしては手足の長い純の均整の取れたそれとが、湯気にまみれた真夜中の露天風呂に晒される。
「そんな面ァも出来るんやなあ。掴み所のない舐めた真似されるよりは、よっぽどマシや」
「お前も『アイスドール』なんて、名前負けも良い所だね」
「周りが勝手に言うとっただけや。それに、知らんのか?氷は冷たいけど、触れた瞬間だけは熱いんやで。まあ、熱さではアンタに負けるけどな」
純の挑発めいた口調に、ヴィクトルは片眉を吊り上げる。
「たかが自分以外の人間がEX手掛けた位で、何嫉妬むき出しにしとんねん」
「教え子に余計な虫がつきまとってたら、排除するのもコーチの役目だろ?」
「その教え子はんは、僕に『君は余計なんかじゃない』て力説してたけど?昔っから自分に興味のない事は塩対応な勇利が、僕の力を求めた。それが答えや。アンタの指図は受けん!」
「…黙れ!人がちょっと離れてる間に、油断も隙もない!」
感情任せに振り上げたヴィクトルの腕を軽くいなすと、純は逆に彼に詰め寄る。
「言っとくけど、引退したお前と違って俺は現役復帰してるからね。シーズン中のアスリートに怪我させたらどうなるか位、判るだろう?」
「アホか。誰がそんなバレるような真似するかいな」
「え?…痛っ!」
ヴィクトルの腕を取ったままの純の親指が、ある箇所を圧した瞬間、ヴィクトルの美貌が苦痛に歪んだ。
「こちとら伊達に長い間、泣く程キツイ鍼治療受け続けてた訳やないねん。お蔭でムダに、人の痛点や反射区その他覚えてしもうたわ。いくらビジネスでも長時間のフライトは、老体にはこたえたやろ?」
「こ…のっ!」
純の手を振り解いたヴィクトルは、仕返しとばかりに純の身体を蹴りつけた。
勢いはあまりなかったものの、防ぎきれなかった純は僅かによろめく。
「あっぶな!何すんねん!バレリーノとダンサー、フィギュアスケーターの脚は凶器てアンタも百も承知やろうが!」
「相当加減してるよ。お前だって判ってるだろう?」
「ああ、嫌になる程な」
「それに、『馬に蹴られて死ぬ』よりはマシじゃないか?」
「…上等や!」
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