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いつもの電車

第13章 12章 光の指す方へ


梨雄Side

澪がここまで心強いと思ったのは初めてだ。


前までは何があっても守ってやらなきゃいけないと思っていたのと共に守るためには自分がしっかりしないとと思っていた。


けれど澪の言葉で気づいた。



どうしてもつらいときは頼っていいのだと。



俺は思った。あの子となら何でも頑張れるんじゃないかと。



ここに彼女を連れてきたのはあの頃の自分の話を素直にできると思ったからだ。



ここは俺があの挫折を味わったときに兄貴に連れて来てもらった場所だった。


兄貴はいつでも俺にいろんなことを教えてくれる。




バスケもその一つだった。


いつでも間違った道に行きそうになったとき、どうしたらいいかわかんなかったとき正しい道に戻してくれるのもどうしたらいいかヒントをくれるのも兄貴だ。



そんな兄貴のことを俺は尊敬している。



けれど今回のことは兄貴は何も言わなかった。



「こればかりはお前が決めないといけない。男としての決断はお前がしっかりやれ。」と。


あの時はなぜだと思ったが今ならわかる。


自分で考えるから意味があるし自分で決めないと彼女を引っ張って行くことはできなかったと。
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