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いつもの電車

第13章 12章 光の指す方へ


私はその話を聞いて涙を流さずにはいられなかった。



そんなことを私が聞いてしまって良かったのだろうか。

そう思っていると自信なさげに

「こんな情けない男だけどこれからも付き合ってもらえますか」

と梨雄は私に問い掛ける。


私は彼のような優れた人間じゃない。

つべこべ言える立場じゃない。

けれどこれだけは確信をもって言える。



「梨雄、私はあなたがどれだけ落ちこぼれだとしても優れた才能をもったあなたが好きなわけじゃない。私はあなたという存在、あなた自身が好きです。だから私は次もし人間不信になりかけることがあったとしたら力になりたいし全力で助けたい。だから私はついていきます。ありのままの梨雄に。」




そういうと、梨雄は「本当か」という。



「なんでこんなことで嘘つくの。本当だよ。」


私は強く言った。


すると梨雄は強く抱きしめてくれてすごく嬉しかった。


私は思う。


彼が苦しいときが苦しさを共有して、彼が楽しいときがあれば楽しさを共有して。

そうできたらいいなと思う。


今までは梨雄が年上だから私は完全にされるがわで自分は今までそうされていることにも気付かなかった。



彼は年上だからそうしていてくれている部分もあったんだと思う。




だけどこれからは私も気づけるようになりたいし彼のような思いやれる人になりたいと思う。
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