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いつもの電車

第13章 12章 光の指す方へ


「俺さ、バスケなら誰にでも勝てると思ってたんだ。」彼の話はそんな言葉から始まった。



梨雄は小学校時代からバスケットボールのジュニアチームに所属していて才能があった。


大会にはほぼ毎回レギュラーとして出ていて中学に入ってからもバスケットボールを続けた。


その才能は周りからも認められるようなすごいもので本人も自分に才能があると自負していた。



努力も惜しまず、とてもいい選手になるといわれていて一部の業界の人間からも目をつけられるくらいだった。


ルックスも良く、周りから見れば完璧な漫画に出てくるようなそんな人だった。



けれど突然悲劇はおこった。


それは彼が高校一年の春のことだった。


高校に入ったばかりで彼の未来は輝いているように見えた。

その当時彼には彼女もいて文句の言いようがない、むしろ妬ましいくらい幸せだったという。

だが高校初の大きな大会。突然彼の膝に激痛が走り、大会中にもかかわらず倒れてしまった。


病院に運ばれ診察を受けたあと彼は衝撃な診察結果を告げられた。

「右足を疲労骨折してます。問題は左足ですね。今後、激しい運動などをできるような状態ではありません。」そういわれたとき彼の今まで輝いていた人生はあっという間に白と黒の何の色もない世界に変わってしまった。


それからリハビリはしたが選手生命を断たれてしまった。

正式に部活を退部したのは去年の夏のことでそこから彼の人生は一変してしまう。


その当時付き合っていた彼女には「顔がいいだけの落ちこぼれとはもう付き合えない」そういわれ、それからも高校に入ってからできた友達がほとんど自分にではなくできる自分と友達になりたかっただけだったと知った。


それから友人達もほぼ離れていってしまい、彼は人間不信に陥りそうになっていた。


それを助けてくれたのが誠、桐崎、矢上だった。
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