第12章 11章 環境変化と心境変化
あれから三ヶ月がたった。
正直進展が全くない。
というか前とそこまで変わらない。
変わったのは
梨雄と付き合ってるという事実だけ。
付き合う前と変わらない。
梨雄はどう思ってるんだろ。
考えればもう12月。
まだ上旬とはいえど三ヶ月付き合っているのにこれはないのではないか。
そう思う。
けど人とお付き合いしたことのない私にはわからない。
これが普通なのか普通じゃないのか。
今日も私は電車に乗る。
すると梨雄は私に笑顔で手を降ってくれる。
思えば4月、私が梨雄の本を拾わなければ私たちは付き合っているなかったかもしれないし、もしかしたら知り合ってもいなかったかもしれない。
だからまず現状に満足すべきなのだろうか?
けれど満足できない。
ちょっとでも梨雄と居たくて
少しでも梨雄と話したくて
ほんの少しでも彼のことを知りたい。
それは私のわがままなのだろうか。
そして私が何より気になるのは彼がどう思っているか。
彼はもちろん私のことが好きで付き合ってくれていると思う。
けれど
抱きしめたい
とか
手を繋ぎたい
とか
思わないのだろうか。
それなら私は少し寂しい。
それとも世の中テレビや漫画で見るような進展は本来ないものなのだろうか。
私は初めての人と付き合うという行為に戸惑いしかなかった。