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いつもの電車

第9章 8章 重なる想い、交差する友情


梨雄Side

今日はあんなことがあった後だし現地解散になった。

とはいえど誠とは最寄り駅が一緒だ。

もちろんのごとく方面が一緒になる。


無言のままのかえり道。


しばらくしてから俺は重い口を開いた。


「なぁ、誠」


「なんだ?」
食い気味で返事が帰ってきた。


「澪はさ、俺らの関係切れるのが嫌だからフったって言っただろ?ってことはもしこの関係がなかったら俺らどっちもフラれることなかったのかもしれないな」

俺はあの時心の中で思ったことをいった。

すると誠は「まぁ、そうだろうな。けど今日お前が言ってくれたじゃねーか。こんなことで切れるようなやつじゃないって。だから澪ももし次こうゆう機会があったらどっちか選ぶだろ。」

そう答えた。

「だな。」

それから沈黙は続いたが嫌な沈黙ではなかった。


俺はかなりこいつに救われてる。何度も。何度も。

部活を辞めたときだってそうだった。


とあるテストで悪い点を取ったときも。


あいつは俺の自慢の親友だ。


かけがえのない親友。


だからこそあいつほど完璧な人間はいないって思うこともある。


だから選ぶならあいつを選んだ方が彼女のためになる。

気がする。



なにが彼女のためになるのかはわからないが俺と付き合ってもと思う。



けれどそれでも彼女を独占したいと思うのはなぜだろうか。


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