第2章 1章 初めて話した日
あの人も私としていたことは変わらなかったらしくほっとした。
しばらく沈黙が続くとあの人は私に「君はいつもこの時間の電車に乗るの?朝とかもそうだけどさ。」
あの人がそう問い掛けてきた。
「今日から高校生になったばかりでこの電車に乗ったのも初めてで。」
やんわりそう返すと
「じゃあ明日も同じ電車?」
「はい。」
「....あのさ、もしよかったらだよ?嫌だったら断ってくれていいんだけど」
なんだろう。そう思っていると
「明日またもし電車一緒だったらどちらかが降りる駅まででいいから話し相手になってくれないかな?ほら、この電車トンネルとか通るしスマホもろくに使えないでしょ。本くらいしか暇つぶしできないけどさ活字よむの苦手って言ってたし」
私はてっきりさっきからの話の流れを見ていてとんでもない爆弾発言か何かが飛んで来るとばかり思っていた。
「全然いいですよ。私も今朝読んでた本難しすぎて読めなくて読んでるフリしてたので。」
「あ、あれ読んだフリだったんだ。」
「逆さになってたの気づいてたくらいだったのでてっきり気づいているものだと思ってました。」
私たちはそんな淡々とした会話を繰り返した。