第2章 1章 初めて話した日
私はあの人の方へ足を向けた。
コツコツと履き慣れないローファーを鳴らしながらあの人の前にたどり着いた。
「あの....今朝電車でこの本落としましたよ?」
私はそう声をかけた。
朝初めてあったような人。すこし緊張気味で声をかけた。
あの人は私に微笑み
「ありがとう。君が拾ってくれてたんだ。」
あの人がそう返したとき電車がカーブで大幅に揺れた。
電車に慣れない私はその揺れで立っていたのもあり倒れそうになる。
フラフラしているとあの人は「大丈夫?」と声をかけ支えてくれていたことに気づいた。
「ありがとう。」
そう声をかけると
「隣、座りなよ。」
そう声をかけてくれた。
私は言葉に甘え隣に腰をかけることにした。
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となりに腰をかけるとあの人は話し掛けてくれた。
「君、もしかして本読むの苦手?」
開口一番そんな言葉をいわれ驚いた。
目を見開いて驚いていると
「今朝の電車でさ、本逆さになってたから。」
もう言い逃れはできない。車内にはあの人しかいない。
私は
「実は活字を読むのは苦手で。」
息をのんでそう返した。
そうするとあの人は私に
「やっぱり。実は俺も苦手なんだ。難しいよね、この本」
そうゆうとあの人は私にパラパラと自分の持っていた本を見せる。
私はさらに驚いて固まる
あんな真面目に読んでいたように見えたのに。
どうゆうことだ。