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いつもの電車

第7章 6章 嵐は突然やってきて。


梨雄さんは私に「どこ、向かってるの?」ときいてきて私は「自宅です。こんなところで復旧待ってるわけにもいかないし。」
そう返した。

梨雄さんは「けど親いるよね?誤解されてもいいの?」そういってきた。

当然の如く今日も両親は出張でいない。たまにしか帰ってこない。それに梨雄さんなら誤解されても別に気にならない。

「両親はいつも出張でいないし今日もいないから大丈夫です。」

そう返した。梨雄さんにすこしの期待をさせるような言葉は抜いて。

「そっか。」
そっけない返事。けれど私は気にせず自宅に向かって歩いた。

暗い恐怖を私の中で消して。

一人じゃない。

今は。

やがて自宅前についた。私は鍵を開ける。

「どうぞ。」そういった。

梨雄さんは「お邪魔します。」といって玄関へと足を入れた。

とりあいず居間へと通した。

こんな形で男の人を家に入れることになるとは思っていなかった。

私は冷蔵庫からお茶の入ったポットを取り出してグラスに注いだ。それを梨雄さんに差し出した。

梨雄さんは「ありがとう。」そういって一口飲んだ。

私の暗闇が怖いなんていう幼稚なことに梨雄さんにつきあってもらってるのが申し訳なくなる。

けれど一人になるのは怖い。

私は梨雄さんに恐る恐る「あの、もしめんどくさくなったりとかしたら帰って大丈夫ですよ」そういった。本当は怖い。外では雨も降りはじめ雷もなりはじめた。

さっきまではあんなに晴れていたのに。

満天の空だったのに。

梨雄さんは「声、震えてる。無理しなくていいよ、それにさっきいったじゃん。停電おわるまでは一緒にいるって。」

その言葉はとっても優しくて。今まであんなに明るかった住宅街か真っ暗で。当然電気もつかなくて。

一人なら泣いていたと思う。

けれど一人じゃない。

今まで雷がならない日がなかったわけじゃない。
雷がなった日も一人だったことの方が多い。

そんな日は一人で布団にくるまって聞こえないように耳をふさいでいた。

でも今日はそんなことしなくてもいい。

私は自分が思ってたよりも寂しがりだっのかもしれない。
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