第7章 6章 嵐は突然やってきて。
誠くんとは私が小学校に入ったばかりのころに出会った。
その頃は私も誠くんもまだ幼くて。
きっかけは公園だった。
その日私は友達と公園で遊んでいてささいなことで喧嘩になり友達が怒って帰ってしまって。
私が一人でブランコに座り夕焼けの下で泣きじゃくっていると誠くんが「どうしたの?怪我?迷子?」そういって私に声をかけてくれた。
私は「お友達と喧嘩しちゃったの。それでその子が怒って帰っちゃった。」と誠くんが私に「なにがあったのかは僕にはわからないけどお互い謝ればまた仲直りできるよ。大丈夫だよ。」そんな言葉をかけてくれた。
今それを聞いたらなんて根拠のない言葉だと思う。
けれど当時の私にはとても優しい言葉でそれをいってもらえただけで、その大丈夫という言葉で私はその友人と仲直りできると思えた。
私は「ありがとう。頑張って明日学校で謝ってみるね。お兄ちゃんお名前は?」そう聞いた。
すると「俺は誠。君は?」そう聞き返してくれた。
「私は澪だよ。ありがと。誠くん。」
そう誠くんに告げた時、帰りの合図となる音楽のようなものが流れた。すると「あ、僕もう帰らなきゃ。またな!澪。」そういって誠くんは走り去って行った。
それから私は次の日もその次の日もその公園に行った。友人からの遊びの誘いはすべて断って。
彼にただ一つ、友人と仲直りできたことを伝えたくて。
その念願かなってか友人と仲直りしてから三日後誠くんは公園にいてサッカーをしていた。
私は誠くんがかっこよくサッカーをする姿をベンチに座って眺めていた。
一段落してからだろうか。誠くんは私に気づき私のいる方向に走ってきた。
すると「前いってた友達とは仲直りできた?」ときいてきた。
私は「うん!ちゃんと謝ったら仲直りできたよ。ありがとう、誠くん」そう返した。
その会話をしてから私は毎週金曜日にその公園に行った。金曜は誠くんがサッカーを友達としに来るからだ。
それからすこしだけ話して別れることを繰り返していた。
けれどあることをさかえにその関係は引き裂かれることになった。