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いつもの電車

第6章 5章 会えないを会えるにすること。


梨雄Side

俺はここ最近図書館に通っている。

みおちゃんに会うためだ。

彼女には会いにきてるなんていってはいない。
あたかも勉強しに来たかのように振る舞っている。

誠に「やーい、ヘタレビビリ」なんて冗談ながらに言われながらもいろいろなアドバイスを受け何とかやっている。

今まで彼女がいなかったわけじゃないが人を恋愛感情で好きになったことがないせいか女の扱いには慣れていてもアピールはできない。ましてや、告白などもってのほかだ。

この前帰り際に好きと言おうとしたときもいろいろ考えると言えなく、ごまかした節がある。



たった二文字のはずなのにその言葉の重荷を痛感する。

付き合った彼女には好きかと聞かれると好きと返していた。その時は好きだと思っていた。

けれどおそらく俺の言っていた好きは彼女たちの求めていた好きではないのだろうと最近思う。

前は言えた二文字が、

今は言えない。

いや、彼女にたいして言えないのだろうか。

こんなこといって迷惑にならないか、

それがすごく心配に思える。

男ならもう少し豪快に行くべきだと思う。

けれど彼女のことになると俺にはなかなかできない。


それだけ俺が彼女を大切にしているということなのだろうか。

それとも所詮その程度なのだろうか。

今の俺にはわからない。


こんなことを考えたときに思う。

もし、俺が彼女に好きだといえたとして、付き合えたとして、

こんなビビりでヘタレな俺でいいのかと。


電話腰ではヘタレビビリなどと言われても否定しているが自分の中では間違いではないのだろうかと最近思いはじめた。


こんなにいろいろなことに悩まされたのは初めてかもしれない。




俺はそのいろんな初めてに対して困惑していた。
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