第17章 最終章 夢は現実に
私が帰ってきた日はあいにくの雨で。
けれど私の心は晴々していた。
梨雄の車に乗り込み、梨雄が一人暮らしをしている自宅へと向かう。
元々は梨雄のおじいさんの家だったらしいのだが亡くなってしまったため、空き家になっていて梨雄の学校からそこが近いことから一人暮らしを始めたそうだ。
しばらくはそこに泊めてもらえる事になっている。
車はやがて高速道路へと向かう。
高速道路を走り出せば早いスピードで車は流れるように走っていく。
しばらく走っていると梨雄は私に
「なぁ、あの日の約束のこと、覚えてるか?」
そういった。
私はすぐにピンときた。プロポーズの事だろうと。
「私はうん、覚えてるよ」
素直にそう答えた。
「じゃああの時の返事ってもうもらえたりする?」
梨雄は真剣な声でそう聞いた。
私は「うん。私はもう決めてるよ。あれだけ時間が用意されてたから。」
といった。
そのあとは私は彼にこういった。
「これから先、私と道を歩みませんか?」