第17章 最終章 夢は現実に
梨雄Side
予測通りの答えだったものの驚いたし、嬉しかった。
けれど今は運転中、しっかり。
そう自分に言い聞かせる。
俺は「今度、挨拶行かないとな。ご両親に。」そう告げる。
その時の澪はとても嬉しそうだった。
車を走らせていると澪は俺に「ねぇ、梨雄がいってた夢はどんな夢なの」ときく。
「あぁ。俺さ、医師になろうと思ったんだ。俺みたいな故障で選手生命断たれた人間だからこそ、それを活かせる仕事がしたくて。あの時の思い出は人生で一番最悪な思い出だけどそれを何かに生かしたかったんだ。怪我した選手とか、子供とかに前向いて歩いてほしくて。」
といった。
やっと言えた。その気持ちでいっぱいだった。
そのあと俺は続けて「澪は何か見つかったか?」という。
すると彼女は笑顔で
「なーんにも見つからなかったよ。けどね、見たことのないものたくさん見てきたし、いろんなこと、経験できた。例えばバンジージャンプとか。」
という。
バンジージャンプってなんだよ、そう心の中で笑う半面、よかったという気持ちが強くなった。