第15章 14章 短い時間で。
そのあと私は駅につれて来られた。
私の最寄駅だ。
やがて二人で電車に乗る。
カタカタと揺れる電車。
毎日のように梨雄と乗っている電車だ。
けれどこの電車もあと一ヶ月もすれば乗れなくなってしまう。
すると自然に涙はこぼれ気付けば泣いていた。
「泣くな。楽しみはまだまだこれからだろ?」っといって梨雄は何駅か過ぎた電車から下りた。
一瞬どこにつれて来られたのかと思った。
そこは私たちが初めてプライベートで遊んだショッピングモール。
確かに他の人から見たらただのショッピングモール。
だけど私たちにとってはあの日の思い出が詰まった特別なショッピングモールで。
彼も多分同じ事を思ってくれていたのだと思う。
私は涙を少しだけ手で拭うと彼はそっと私に無言でハンカチを手渡した。
私は「ありがと。」といって涙を再び拭う。
思えばこうゆうやさしさも彼に惹かれた一つ何だと思う。
もちろん梨雄の良さはこれだけじゃなくて他にもたくさんあると思う。
だからこそもっとたくさん知りたいのに来月には日本を立ち去ってしまうことがとても寂しく思う。
だからこそ今の時間を大切にしよう、そう再び思った。