• テキストサイズ

いつもの電車

第4章 3章 あなたとの時間


「夏休みっていつから?」


梨雄さんからそう声をかけられ私は
「来週の土曜からですよ、梨雄さんは?」
そうといかけた。

「俺は来週の金曜から。」

そう返ってきた。

来週の金曜は会えないのかな、


そんなことを思いながら私は梨雄さんに

「梨雄さんは夏休み学校行かれますか?」

なんて聞いていて

無意識のうちに意味のわからない質問をしてしまった。


「俺?多分家にいるかな、別に遊ぶ友達もそんないないし。みおちゃんは学校行くの?」

そうだよね。

行くはずないよね。

「行かないですよね、そうですよね、私は気分によるかもです」

行きもしないのにそんなあやふやな返事をしてしまった。本当は図書館にでも行くつもりだった。

なので

「多分ほとんど市内の図書館にいます」

なんて付け足しておいた。



「勉強熱心だなー。俺の方が年上なのに全然真面目に勉強してないな。」

なんて返してきた。

「そなことないです。」

そう返した。

おそらく友人は部活や彼氏とデートするなんていっていたし遊ぶことはほぼほぼないといっていいと思う。

いわゆるぼっちの寂しい夏休みだ。

別に一人が寂しいわけじゃない。自宅に帰れば常に一人なわけだから別に問題はこれといってはない。

けれど梨雄さんと会えなくなるのは嫌だな。

なんて思っていた。連絡先も知らないし、通っている学校の名前すらも知らない。

私が知っているのは名前とほんのわずかな情報だけ。

そんな私がこんなことを考えていたとなれば向こうはさぞかし気持ちが悪いと思うだろう。

けれど夏休みにはいれば会えなくなる。

おそらくまた夏休み開けには会えるようにはなるが必ずしも夏休み開けにこの電車に乗っているなんていう確信もない。

いろんなことが頭の中でぐるぐると回っていて自分でもわけがわからなくなっていた。
/ 125ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp