第15章 14章 短い時間で。
私はおそらく海外に行く前に梨雄と過ごす、最後のイベント。
バレンタインのことを考えていた。
彼はけして甘党ではないが、甘いものはどちらかというと好きだと言っていた。
なので甘めの何かを作ろうと思っている。
好きな人にバレンタインに何かをあげるのは初めてだし、何にしようかすごく悩むが、海外に行くまで時間もない。
これを逃せば彼と過ごすイベントはかなり先になるだろう。
だから私は悔いは残したくない。
それに彼はこの前の留学の一見で人生の重大な決断まで私のためにしてくれた。
彼は待たなきゃいけないのに、それもどれだけかわからないのに、私と結婚できるのは幸せだと微笑んでいってくれた。
こんな人他にいないと思う。
それにあの歳でこの決断をできる人はなかなかいない。
だからこそこれからも大切にすると言う気持ちとこれまで、そしてこれから先のお礼も込めて私はお菓子を作ろうと思った。