第1章 1
銀八side
「朱音!」
月夜が引き留めるが聞く素振りもなく朱音は教室から出ていった
「あー、その、なんだ。おたくらどういう関係?」
流石に人に干渉しない俺でも 朱音のこととなると別だ
「 朱音とわっちは…前の学校の担任と生徒の関係じゃ」
「…それだけとは思わねェがな」
土方君が珍しく反論する
そう言えばこいつも 朱音溺愛者だった
「… 朱音から何も聞いておらんみたいじゃな。だったら尚更わっちから言うべきではない。それに…」
月夜はそれ以上何も言わなかった
静まり返った教室に椅子を乱暴に引く音が響く
高杉が出て行こうとしていた
「…どこ行くんだ?高杉」
「…関係あるめェよ」
高杉とは長い付き合い
「やめとけ。今お前が行って何ができる。それに…さっきの話は嘘だったのか?それが正しい選択なのか?今の 朱音は俺に任せろ」
「…チッ」
高杉は舌打ちをして席に戻った
高杉と俺以外は頭に?(はてな)を浮かべる
「ちょっくら行ってくる。おめーらは月夜先生とお勉強しとけー」
そして 朱音の元へ向かう
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