第5章 5
俺達は抵抗することもなく、町の外れにある工場の跡地にやって来た
「バカな奴等だねぇ。こんなことしても朱音は帰って来ないよ?朱音は一度決めたことは何があっても変えないんだ。だから俺も困ってるんだけどね~」
神威は楽しそうに笑う
「それが朱音の本望だったらな」
「…どういう意味かな?」
土方の言葉に反応する神威
「朱音は俺達の仲間だ。朱音もそう思っている。テメーなんぞのためにわざわざ俺達を…うっ!」
「トシ!」
土方の言葉は神威の腹への一発でかき消される
「その言い方だと、俺より君達の方が朱音のことを分かってるみたいじゃないか」
3Zの奴等はそれきり口を開かなくなった
「…オイ。朱音とのこと教えてくれんじゃなかったのかァ?」
「まあそう焦らないでよ。ちゃんと話すよ。朱音が来たら」
「!それじゃ意味ねーんだよ!もう朱音に関わるな!」
俺の言葉も虚しく、神威は黙ったままだった
これじゃ朱音が来ても何もしてやれねェ…
俺は
俺達は黙って見てることしか出来ねェのか…!
→