第5章 5
『!し、んすけ…?』
晋助はあたしを一度見ると、再び神威に目を向ける
「どういうつもりだ?テメー」
「いやはや、あの高杉晋助が女一人のためにここまでやるとは思っていなかったヨ。おかげで楽しませてもらった。それにしてもあの高杉まで虜にしてしまうとは、さすが俺の朱音だ」
『…どういう…』
「関係あるめェよ。俺が決めたことだ。俺は自分の生きる真っ直ぐな道を進んでるだけだ」
晋助によってあたしの疑問は流された
「「「「「「朱音ー!」」」」」」
『!?』
校舎から3Zの皆が駆けつけてくれる
『来ちゃだめぇー!』
あたしの叫びも虚しく、あっという間にみんなは囲まれた
もともと運動神経も良い皆は不良達相手に応戦していくけど、それもすぐに押され始める
神威と晋助は睨み合ったまま動かない
『神威!お願い!もうやめて!』
「だったら俺と来なよ。そうすれば引き下がるよ」
「必要ねェな。お前らは俺が全員ぶっ潰すからよォ」
神威も晋助も互いに引く気はないようだ
こうなればあたしが…!
動こうとした瞬間、神威の横から男が飛び出し晋助に掴みかかった
あたしもよく知っている男、阿武兔だ
そして一瞬だけ気がそれたあたしのお腹に、神威の拳が入り込んだ
意識が薄れていく中、神威の声が聞こえる
「無理矢理俺の元に置いたって意味がないんだ。またすぐに逃げちゃうだろ?次目が覚めたら、朱音は俺に服従しなきゃいけないと思うよ。それまでゆっくり…おやすみ」
あたしの意識はそこで途絶えた
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