第5章 5
『神威っ!』
「やっと俺に会いに来てくれたね。寂しかったんだよ?それじゃあ行こうか」
あたしは拳にギュッと力を入れる
『…あたし、神威とは一緒に行かない。その代わりここも離れる。だから皆に手を出さないで』
すると神威は驚いたように目を開いた
「へぇ?あれだけ一緒にいたのに、俺がそんな提案に納得するとでも思ったの?」
『思ってない。だからこうしてちゃんと頼みにきてるの。お願い、神威。ここからは手を引いて』
神威が片方の手を上げると、取り巻いていた大人数の男達があたしを取り囲んだ
「言っただろう?あまり俺をがっかりさせないでくれ。朱音にはどうやら、お仕置きが必要みたいだね」
一人の男が襲いかかってきた
対抗しようと構えた途端、男が視界から消えた
代わりに映ったのは
「よォ。久しぶりだなァ。お前ェ俺との約束、忘れたわけじゃあるめェなァ?」
「…何だっけ?高杉晋助」
晋助だった
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