第5章 5
―「あれ?いないの?しょうがない、来ないのならこっちから迎えに行こうか?」
「オイ、朱音!アイツら知り合いかよ!?」
トシの慌てた声が聞こえる
そりゃそうだ
神威の後ろには街の不良達がわんさかいた
そしてあたしの足が勝手に動き出す
「!?オイ!どこ行くんだよ!」
久しぶりに晋助の声を聞く
それでも止まらない
「朱音!俺言ったよな?朱音は朱音の正しいと思った方を選べ!こいつらはお前を見捨てたり置いていったりしねェ」
銀八先生の言葉が聞こえる
「「「「「朱音!」」」」」
何が起きてるか分からない皆も、ただならぬ事態を感じてか、あたしを引き留めようとする
けれど…
『…ごめんね』
あたしは教室を飛び出した
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