第3章 3
「やぁ。来てくれると思ってたよ、朱音」
『どうしてあなたがここにいるの?神威』
先程の殺気は校門にいた神威によるものだった
「朱音に会いたくなった。それじゃダメ?」
『あたしは会いたくなかった。お願い帰って』
あたしはバッと頭を下げた
「…そこまでして今の"友達"とやらが大事?そんなに朱音の頭は軽かったっけ?あまり俺を幻滅させると、流石の朱音でも…殺しちゃうよ?」
頭を上げると共に神威と距離を取る
充分離れたはずなのに、冷や汗が止まらない
「なーんて、冗談だよ。びっくりした?やっぱり俺が認めただけはあるよ。ちゃんと反応してたし」
神威はいつものようにニコニコ笑っている
「今は何もしないよ。まだ帰ってきたばかりで準備が整ってないんだ。じゃね、朱音」
神威の言葉が頭のなかでループしていた
『"今は"、か。…みんなはあたしが護らなくちゃ…』
あたしは総悟を迎えに校舎へ向かう
晋助に伝えようとしていた想いを胸にしまう
まだ、言えない…
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