第3章 3
「クククッ…バレてたのか」
『当たり前でしょ?隠れるならもっと上手く隠れなさいよ』
晋助と話すのはいつぶりだろうか
久しぶりに聞いた晋助の声はとても冷たかった
「驚いたぜ?俺の告白を無視して、まさか沖田のモンになってたとはなァ」
『…は?何言ってるの?その告白を取り消してきたのはあなたじゃない』
「クククッ…違いねェ」
晋助が分からない
冷たい言葉とは裏腹に、"助けて"という晋助の心の声が聞こえてくる
『晋助…一体何があったの?』
「…何のことだ」
『あたしじゃそんなに頼りない?そんなに力になれない?あたし、晋助のこと護りたい。だって…』
あたしは少しだけ躊躇した
だけど
言ってしまおう、あたしの気持ち
総悟も頑張ってるんだ
『だってあたしは晋助のこと…
!?』
あと少し
あと少し勇気を出せば済んだ話なのに、あたしは言えなかった
校門の方からよく知っている鋭い殺気を感じたから
あたしは晋助を置いて校門へと駆け出した
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