第3章 3
「よよよよ葉!ここで何やってるネ!」
私はあれから葉とまともに話せなくなっていた
「それ俺の質問だろ?俺は服部先生に頼まれてな」
葉は私たちに近づいてくる
葉が一歩踏み締める度に私の鼓動もリズムを上げてくる
葉は日に日にかっこよくなっていき、私も日に日に好きが増していくのが分かった
「総悟?どうした?」
「あ、さっきの話の続き、何アルか?」
途中からサドの存在を忘れてしまっていた
「…何でもねェ。さっき言ったことは忘れてくだせェ。じゃあな」
その時のサドは私にも分かるくらい
哀しい眼をしていた
そして、私はその顔をずっと忘れられないでいた
「神楽?総悟どうしたんだ?俺何かした?」
「よ、葉は何もしてないネ!きっと腹でも下したに違いないアル!」
すると葉は"はははっ"と笑う
その笑った顔も輝いて見えた
「神楽、これから何か用事あるか?」
「えっ?無いヨ…」
「じゃあどっか寄って帰るか!なーんか久しぶりに神楽と話した気がするからよ、もっと話そうぜ!」
「うっ、うん!」
私の胸はもう死んでしまうかのように早く拍動していた
そしてその心臓を抱えたまま、私は葉と初めて二人で帰った
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