第3章 3
『総悟!ちょっと待って!』
俺は追っかけてくる朱音を一瞥すると、朱音の腕を引き屋上へと連れてった
屋上に着くとすぐに朱音を抱き締めた
『!?総悟!?』
「悪ィ。今だけはこのままでいさせてもらえねェですかィ?」
情けない話、声が震えているのが分かった
『ん。分かった』
一言だけそう言うと、優しく抱き返してくれた
朱音の体温が心地いい
朱音の穏やかな心音が落ち着く
「朱音…俺、チャイナに…」
『うん、大丈夫。神楽はそんなことで怒ったりしないよ?それは総悟が一番知ってるでしょ?』
そうだ
俺が好きなチャイナは
いつも笑っていて、いつも人の事ばかり考えている優しいチャイナ
『けど、やっぱりきちんと謝っとこうね。神楽も心配してるし』
そして朱音はゆっくり俺を離す
『ほら、行っておいで』
力強い笑顔と共に、力強い言葉までくれた
俺は一言礼を言うと、屋上を後にした
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