• テキストサイズ

3Z(2)

第3章 3



そして放課後

「朱音!帰るヨロシ!」

『あ、ごめん神楽。あたし今日総悟と用事が…』

「悪ィな、チャイナ。朱音は借りてくぜ」

「なら仕方ないネ。サド、ちょっと来るアル」

何故か俺だけを呼ぶチャイナ

正直少し…いや、かなり嬉しい

「なっ、なんでィ」

動揺を必死に隠そうと強気に出る

「サドがいつの間に朱音を好きになったかは知らないネ。けど朱音を泣かしたら許さないアル」

そう言ってチャイナはニッと笑う


…待てよ

俺が朱音を…?

確かに好きだけど、それはあくまで友達として

俺が本当に好きなのは…

「…俺がいつ好きだって言ったんでィ」

「サド?」

「俺がいつそんなことを言ったんだって聞いてるんだ!」

気付けば大声を張り上げていた

放課後となったのはついさっきのことだから、まだまだ教室にはたくさんの人で溢れていた

「どうしたアルか…?」

周りの視線が痛い

チャイナの気遣うような視線が…痛い

「っ…なんでもないでさァ」

俺は逃げるようにチャイナから離れ、教室を後にした

『えっ!?総悟!?』

俺のチャイナへの気持ちを知っている朱音は、さっきの喧嘩を心配してか、それとも今日の約束のためか、どちらにしても俺を追って来てくれた

何となく一人になりたくなかった俺の心は酷く安心した



/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp