第2章 2
『バカじゃないの?晋助』
「!?」
そこには帰ったはずの朱音がいた
『一体何がしたいの?』
「…帰れっつっただろ」
『そんな晋助おいて帰れるわけないじゃない』
朱音の真っ直ぐな眼に見られるのに耐え切れななくなってしまい、俺は朱音の手を引いて、自分のベッドの上に投げ倒した
『った…何すんのよ!』
無視して朱音の上に跨った
『…前にも言ったよね?晋助はこんなことするような人じゃない。だからどいて。ちゃんと話をしよう』
「クククッ…朱音、お前俺を舐めすぎじゃねェか?確かにあの時はする気なんて起きなかったが今はどうだ?俺は今、お前のことなんて好きじゃねェ。だからなんとでも出来るんだぜ?」
朱音の太ももに触れる
身体をビクッと震わせ、眼には恐怖の色が見えた
「わかんねェのか?これが男と女の本来のあり方だ。色恋なんざ必要ねェって気付いたんだよ」
シュルっとセーラー服のリボンをほどく
『…めて…やめて、晋助』
「やめねェさ。俺もストレス溜まってんだよ。テメーを使って解消してや…」
俺の言葉は朱音のビンタによって遮られた
『…さいてー』
俺にとって重すぎる言葉を残して朱音は出て行った
そのままベッドに横になる
最低、か…
思っていた以上に傷ついている自分がいる
でも
「これでよかったんだ。そうだろ…銀八」
これで良かったんだ
これで朱音も
松陽先生も傷つくことはない
俺が朱音から身を引けば
誰も傷つくことはない
そして俺は疲れたように深い深い眠りについた
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