第2章 2
帰り道
いつもの道を一人で帰る
そんなに暗いわけでもないが、何故か今日は不気味に感じる
つけられている
足音は聞こえないが人の気配がする
でもなぜだろう
相手は初めて会った気がしない
そんな気配だった
『…誰?なんであたしに着いて来るの?』
暫く無言だった空間にジャリと足音が聞こえた
「さすがだね、朱音。さすが俺が認めた女だ」
そこには
『!な…ん、で…』
「ひどいじゃないか、俺を置いて勝手に消えるなんて」
あたしがずっと会いたくなかった
『何でアンタがここにいるのよ…』
「朱音に会いに来たに決まってるだろ?俺達は恋人同士だろ?」
あたしから何もかもを奪った張本人
『あたしは会いたくなかった。
神威』
三年前、あたしが初めて愛した
神威がいた
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