第2章 2
『神楽のお兄さんに、あたしも会ってみたいな』
すると神楽は思い出したように携帯を取り出した
「そう言えばバカ兄貴が朱音とのプリクラを見せたら、実物の写メがほしいって言ってきたアル」
『…何で?』
「最近のプリクラだと顔が別人のように映るからって言ってたネ。朱音はそのままアルけどな。で、もし街で会っても気づかなかったらいけないから、って。妹の親友に俺も挨拶したいからって言ってたアル。いいアルか?」
まあ確かに最近のプリクラは盛るに盛って詐欺?みたいにうつるモノもある
『うん、いいよ!ていうかあたしも神楽のお兄さん見たいんだけど』
「残念ながらそれは無理アルな」
『何で?』
「兄貴がダメって言ってたネ。いきなり女子高生に話しかけられても緊張するみたいネ。そんなタマじゃないアルけどな。じゃあ撮るネ!はい、チーズ!」
パシャッというシャッター音と共に光があたしを捉えた
『はや!えー?変に映ってない?』
「大丈夫ネ、朱音はどんな顔でも可愛いアル!」
神楽が当たり前のように言うモノだから少し、いやかなり照れてしまった
それにしても神楽のお兄さんか…
神楽に似てるのかなぁー…
そこまで考えていると授業開始を告げるチャイムが鳴った
だからあたし自身、深く考えるのはやめた
放課後
嵐のように帰っていく神楽を見送り、あたしも帰る準備をしていた
すると月夜先生に呼ばれ、職員室へ向かった
「気をつけろ」
月夜先生の話はそれだけだった
一体何を気をつけろというのか
教室にかえるともう誰もおらず、仕方なくあたしは一人で家に帰った
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