第2章 2
朱音side
あたしは
あたしたちは学校が始まってから2週間経ったのに、晋助と話していない
もとから晋助は話したがらないのだが、それでも一日に何回かはコミュニケーションをとっていた
晋助は毎日学校に来るのに誰とも話さない
目も合わさない
銀八先生とはちょくちょく話すみたいだけれども
あたしは気になって先生を尋ねると"心配すんな、俺に任せとけ"の一点張り
『…はぁ』
「朱音、ため息つくと幸せが逃げるアルヨ?」
気が付いたら神楽が隣にいていつものように酢昆布を食べていた
『そりゃあため息もつきたくなるよ。そういう神楽は嬉しそうだね?何かあった?』
すると神楽がよくぞ聞いてくれましたという顔で近寄ってきた
「今日はパピーとバカ兄貴と久しぶりに家族で外食ネ!」
『あ、そっか!お兄さん帰ってきたって言ってたもんね!』
神楽は本当にお兄さんのことが大好きなんだなぁ
「ウン!バカ兄貴も最愛の女とやっとまた会えたみたいですごく機嫌がいいアル!」
『最愛の人?』
「バカ兄貴は3年前にある人と交際していたらしいネ。けどいきなり消えちゃったみたいで…そのうち紹介までしてくれるって言ってたヨ…アイツにとってその彼女は特別な存在だったみたいアル!だから私、兄貴にはその人と幸せになってほしいアル!」
神楽は自分のことのように話す
自分の愛する家族、友人が幸せになることを神楽は自分のことのように喜ぶ
ここまで心が綺麗な人をあたしは今まで見たことがない
こんな神楽だからこそあたしは好きになったんだ
そんな神楽には葉と幸せになってほしい
神楽の愛するお兄さんにも幸せになってほしい
あたしは心の中で総悟にごめんとつぶやいた
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