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【黒バス】ねえ、大我

第2章 合宿


 合宿所に着くと、早速始まる練習。頑張る皆を応援しつつ、私も自分の仕事をこなす。アメリカも暑かったけど、日本の夏も暑い。そんな中、一生懸命頑張ってる皆の為に何かしてあげたくて、でも、実際何をすればいいかわからず悩んでいた。


「余計な事はしなくていいですからね。」


 リコちゃんにそう声を掛けられたが、じっとしてるのはしょうに合わない。思い立ったら即行動。ということで、やるべき事を終えた私は合宿所を飛び出した。が、勢いよく飛び出したはいいが、何も考えていなかった訳だから、行く先もないし、何をすべきかも分からない。とりあえずこの辺を散策して、なんか面白いもの見つけよう。
 山ということもあり涼しい風は吹くが、夏の強い日差しが肌に突き刺さる。合宿が海だったなら皆で海とか楽しそうだけど、生憎ここは山。


「あ、川ならあるかな?」


 暑い中皆汗だくになって練習してるんだ。涼める場所があれば皆喜ぶ筈。そう思って、山道を登り始めた。鼻歌を口ずさみながら山道を歩いた。途中、落ちていた大きな枝を拾い、それを手に取り、私は再び鼻歌を口ずさんだ。大きな枝で道を掻き分け…というか掻き分けられてるから私が掻き分けた訳じゃなんだけど。まあ、要は気分の問題。大きな枝を持って歩く山道は子供の頃を思い出す。そういえば鉄平とこうやって山道を散策したりもしたなあ。それで、雨で地盤が悪くて、足を滑らせて一緒に転げ落ちて二人共泥まみれで擦り傷だらけで、お母さん達に怒られたなあ。なんて懐かしい気持ちに浸っていたら、抜かるんだ地面に足を取られた。そして、体が一気に傾いて、斜面をそのまま転げ回った。嗚呼、こんなとこまで再現しなくていいのに。そんな私の気持ちなんてよそに、無情にも打ち付けられる体。痛いなんて思ったのは一瞬で、その痛みと共に私は意識を手放した。

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