第5章 恋煩い
「…何してんすか?」
「たたたたたたた大我…っ!」
なんつータイミング…っ!てか、なんで私捕まえられてんの?大我の手が、私の首に…!今までだってこんな距離よりもっと近い距離にいたのに、好きだと気付いてしまったせいか、頗る恥ずかしい。
「火神、お前今好きな奴いるのか?」
「え?なんすか唐突に。」
鉄平!それとなくはどうした!直球ストレートすぎるだろう!
「遥香が火神の事好きならしいんだ。俺としては大事な幼馴染みだし、可愛い後輩である火神と恋仲になってくれたら嬉しいなと思ってな。」
「ててててて鉄平!」
何勝手に人の気持ちバラしてんのよ!先程頼り見えた鉄平は何処へやら。
「…マジかよ?です。」
「わわわわわわわ私、ももももモップかけてくる!」
この場から急いで逃げ出さんとばかりに掛け出せば、勢いよく走り出した所で慌てすぎたせいか、自分の足に引っかかった。また顔面から倒れると思ったのに、大我が私を抱き留めてくれた。流石大我!ナイスキャッチ!…じゃなくて近い!
「ほんっとに、アンタはそそっかしいな。」
「…面目ない。」
「この先もアンタから目が離せそうにねえな。…つーことで、俺の傍から片時も離れんなよ。です。」
「そ、それって、どういう、」
戸惑う私の耳元で、少し恥ずかしそうにした大我がI love youと囁いた。
fin.