第6章 【番外編】彼氏が目の前で金髪美女にキスされました
「なあ、まだ怒ってんのかよ?です。」
そう言って声を掛けてくる大我を無視した。そりゃあ怒るに決まってる。目の前で金髪美女と彼氏がキスしたのだから怒って当然だ。そりゃあ私だって、大我と付き合う前は先程の金髪美女こと、アレックスさんと同じく可愛い後輩達にキスをしてたけど、大我と付き合ってからは可愛い後輩達にキスをしたい気持ちを抑え、実行していない。それは後輩達が可愛い以上に大我の事が好きだからだ。なのに大我は私の目の前でアッサリと唇を奪われ、それを悪かったという素振りすら見せない。まあ、一方的にキスをされたのだから、大我が悪い訳じゃないっていうのは分かっているけど、それをすんなりと許せる程大人じゃない。嫉妬してしまう。それに行く宛のないアレックスさんはこれから大我の家で世話になると言った。大我は一人暮らし。それはつまり、これからはアレックスさんと大我の二人暮らしが始まると言う事。目の前でキスをされ、これからの事を不安に思わない訳が無い。無事にウィンターカップ初戦を勝利で収め、リコちゃんの美味しい手料理を食べ…まあ、その手料理を食べた後の記憶が一時的に無いのだけど、楽しく皆でワイワイしてた筈なのに、気持ちは一気に冷めてしまった。
「…大我が悪い訳じゃないって、私だって分かってるよ。けど…。」
やっぱり許せない。