第3章 おかしいかもしれない
「アンタ怪我してんだから大人しくしてろよ!です。」
「いや、私、マネージャーだし、なんか皆の為にやりたいし。」
「こういう時は俺に頼れつったろ!です。」
確かに大我は頼りになる。でも先輩なんだし、後輩にはいい所見せたい。
「つーか!何持ってんだよ!?ですか!?」
私の手にしていたアダルト雑誌の表紙を見て顔を赤くする大我。反応から察するにこれは大我のでは無かったみたいだ。大我のじゃなくて良かった、なんて思ってしまったのはなんでだろうか。他の子のならこういう女の子が好みなのね、ふふなんて言って笑える。でも、大我のだったら少なからず私はショックを受けただろう。
「…私、なんかおかしいのかも。」
「え?熱っすか!?病院…病院行くぞ!です。」
「え、いや、違、違うから!元気だから!」
抱きとめられた姿勢からそれはお姫様抱っこへと変わり、大我は私を抱え、そのまま走り出した。
「だから違うって!ちょ、誰か!誰かこの馬鹿止めてー!」
慌てる私と大我を見つめる皆の瞳がにやにやしてて気持ち悪いと感じた。だから見てないで助けろよ!