第3章 おかしいかもしれない
皆がロードワークに行き、一通りやるべき事も済ませた…というか殆ど大我がやってくれたのだけど、何が出来る事はないかと、部室へと向かった。
「うん、たまにはきちんと掃除をしよう。」
一件片付いてみえる部室だが、普段ろくに掃除もしてないロッカーの上は埃を被っていた。男の子って掃除苦手だもんね。部室ピッカピカに掃除したら皆も気持ちいい気分になれるだろう。そう思い、脚立に上り、雑巾を掛けた。ロッカーの上から出てきたちょっと厭らしい雑誌。男の子だし興味湧いちゃうよね、なんて思いながら、手にしたアダルト雑誌をパラパラと捲った。てか、これ誰のだろ?鉄平ではないな。鉄平はどちらかというとリコちゃんみたいな子がタイプだし。となると順平か?アイツ、ムッツリそうだもんな。いや、でも俊…凛之助、慎二、聡史の可能性も捨て難い。まさか一年生か?いや、一年生はまだ純粋なままでいて欲しい。まあ、誰のでもいいや。リコちゃんに見つかったりなんかしたら怒られちゃうだろうし、このままここに隠しといてあげよう。
「何やってんすか?」
「え?うわあ!」
突然声を掛けられた事に驚き、持っていたアダルト雑誌を抱えたまま、脚立を踏み外した。私、日本に帰ってきてからこんなんばっかだな、なんて思ったが、大我に抱きとめられ、怪我をせずにすんだ。