第7章 Happy birthday! ~信長誕生祭~
「ええ、今でいう政を行う代表者みたいなものですかね?やはり、総理大臣になるには、とてつもないカリスマ性のある人じゃないと駄目なんですよね。その点信長様はぴったりかも。」
麗亞の言う事は聊か分からないことがあるが信長にはなんとなく褒められているのだろうという事は理解していた。
話をしながら信長と市を回っているとそこに綺麗な南蛮から来たガラス瓶に入った甘味を売るお店に出くわした。
「あ、あれもしかして!!」
麗亞がその露店に行き、ガラス瓶を持ち上げる。
「やっぱり!! 信長様!!金平糖ですよ!」
嬉しそうに瓶を掲げる麗亞が何とも無邪気で可愛いらしく信長は目を細めた。
「でかしたぞ麗亞、とりあえずあるだけ買うとしよう。」
そう言いもう一瓶を手にしようとした時、横からスツと手が伸びて来て瓶をかすめ取られる。
長「なっ・・・?!」
その手の主を見ると・・・
「信玄様?!!」
「おっと、これは麗しの姫。今日はどうしたんだい?お買い物かな?」
信長には目もくれず、軽くウインクをし、麗亞に話しかける信玄に信長は、地の底から湧き上がるような声を出した。
「貴様、この俺が買おうとした品を、かすめ取り更に麗亞にまで馴れ馴れしく口をきくとは・・・。」
やっと信玄の視界に入ったのか、わざとらしく声を発する
玄「なんだ、貴様も居たのか? あ、悪いがまだ手に取る前だから貴様のものではあるまい。こうすれば・・・。」
そう言い、店主に金平糖の代金を払ってしまった。
「ほら、代金を払ったから俺の物だ、悪いがこれは譲れないな。」
2人の間にピリピリとした空気が流れる。それを肌で感じた麗亞は慌てて間に入る。
「ほら、こちらの金平糖は私が買いましたから、だからこれは信長様へのプレゼントです。」
そう言い、麗亞は信長に金平糖の瓶を渡す。苦虫を噛み潰したような顔をしてはいたが、その瓶を受け取る信長。
「お願いですから、こんなところで争わないでくださいね。信玄様もです。」
そう言い、麗亞は深々と信玄に頭を下げる。
玄「姫にそういわれると致し方ない。今日はこれで引き揚げようとしようか。」
すると後ろから・・・・
幸「信玄様こんなところに居た・・・げっ・・・!」