第7章 Happy birthday! ~信長誕生祭~
いよいよ信長の誕生日当日の朝。---------
秀吉から前日の夜に信長を午前中城下に連れ出していてほしいと頼まれた麗亞は信長の居る天守へと赴いた。
「信長様、いますか?起きてますか?」
長「あぁ・・。入れ。」
麗亞はそーっと襖を開けて中に入ると信長は文机に向かい。
何か書き物をしていた。
「お仕事・・・ですか?」
信長に声を掛けると文を書き終えたのか。それを折りたたんだ。
長「いや、もう終わった。どうした?こんな朝から。」
「えと・・・今日は午前中空いていますか?もしよろしければ城下に一緒に行きません・・か? 最近・・・一緒に出掛けていなかったので・・・。」
後ろを振り返ると、麗亞がもじもじとしながら座っていた。
長「そうだな…。たまには城下の視察も良いだろう。」
それを聞いた麗亞の顔が綻ぶ。その顔を見るだけだ信長はなんだか幸せな気持ちになった。
(最近忙しくて、こやつのこんな顔を見ていなかったな・・・)
そう思いながら先程の文を懐にそっと忍ばせて立ち上がるのだった。
長「そうと決まれば行くぞ・・・。支度は出来ているのであろう?」
「は、はいっ・・!!」
部屋を出た信長の後を麗亞は急いでついて行った。
「うわぁぁぁ。今日もなんか賑やかですね。」
長「民が平穏で豊かに暮らせているのは良い事だ。」
目を細めながら優しい眼差しで城下を見つめる信長をチラリと見る。
(やっぱり信長様は本当は優しくてとても温かい人なんだ。ちょっとそれが解りづらい所もあるけど・・・。)
「これで戦も無くて皆楽しく過ごせればいいのに・・・。5百年後の日本は本当にびっくりするくらい平和なんですよ。信長様にも見せてあげたいな。」
長「私の理想とする世界が五百年後にはあるという事か?」
「そうです。これから時代が移り変わり、色々な事も有りますが、身分とか、女だから、男だからとかそういうのもなくなります。信長様の思い描く未来があるんです。」
(でもそういう事を考えている信長様って、先見の明があるというか、他の人より理想が高かったというか、凄い考え方の持ち主なんだろうな・・・。)
「信長様が現代に行ったらすぐに、総理大臣になれそうですね。」
長「そうりだいじんとはなんだ?えらいのか?」