第1章 Happy birthday! ~信長様お誕生日準備編~
2人の険悪な睨みあいに、信玄がさらっと間に入る
玄「まぁまぁ、二人ともやめなさい。いい大人がこんな場所で言い争っていてはいけないよ。幸、私の姫に『イノシシ女』はいけないなぁ・・・」
幸「何言ってんですか?お館様の『姫』じゃないですよね?」
痛い所を付かれる信玄。
「そ、それよりなんでここに?二人が?」
話をそらすように話題を二人に振ると本来の目的を思い出したようだった。
玄「そうそう、今日は南蛮よりの品を売る露店が出ると聞いて来てみたのだが。」
辺りを見回すと、ひときわ変わった品を出す露店を見つける。
幸「あ、あれじゃないですか?」
そうして三人はその露店の前にやって来た。変わった色の石や、普段は見ない形の装飾品、そしてその端っこに綺麗なガラスの器に入っているキラキラしたものを発見する。
「あ・・・あれって・・・」
麗亞がその器を手に取ると露店商が声をかけた
店2「お、お客さんお目が高いねそれは硝子というものでできた器になかなか手に入らない砂糖菓子がはいっているんですよ。」
玄「おぉ、これは・・・金平糖か・・・」
違う形の違った器にはいった金平糖を手に取ると満足そうな笑みを浮かべた。
幸「やっぱり甘いものですか・・・」
「これおいくらですか?」
値段を聞いて自分の残りの銭とにらめっこする。
(少し足りない・・・どうしよう。金平糖信長様が大好きなのに。)
玄「どうした姫?買わないのか?」
「あ、ええ、ちょっと先ほど反物を買ったので少しだけ足りないようで・・・また後日に・・・」
玄「でも欲しいのだろう?誰かに贈り物なのか?」
「えっと、それは・・・。」
(仲の悪い信玄様に信長様の誕生日に贈りたいのだとは言えないし・・・)
「えっと、大事な人のお誕生日にとおもったんですが。」
玄「大事な人ねぇ…。妬けるなぁ、姫からそんな言葉を聞くと。」
少し寂し気に麗亞を見つめるが、ふと何かを思い立ったように告げた。
玄「じゃ、その姫の大事な人へのお祝いに、私が足りない分を出そう。」
「え?そんな悪いです、信玄様にはそんなご迷惑はおかけできません。」
ふっと笑みを浮かべると信玄は麗亞にある提案をした。