第6章 Happy birthday! ~絶対体絶命編~
その後も、セイと二人で茶屋に行ったり、あちこち案内して回る。
静「どうしてこの城下はこんなににぎわっているのかしら?色々旅をしてきたけど、こんなに賑やかな場所はなかったわ。」
「それは信長様がとても熱心に町づくりをやっているからかも。市に色々な場所から自由に出入りできるようにやったりとか。ほんと凄いよね。」
嬉しそうに話す麗亞になんだかイラっとしつつもポツリとつぶやく。
静「信長は鬼だという話を聞いたことがあるわ。人の命を何とも思わない大六天魔王だって。」
「そんなことないよ!信長様はちゃんと優しいし、温かい所があるよ?無暗に人を気づ付けたりしない。信長様にも色々信念があるんだとおもう。」
(さて、そろそろこの女もお終いかしら。後は、従者たちと打ち合わせした場所に向かって・・・。)
静「そうそう、城下に来る手前にとても素敵な場所があったの。今日のお礼に、貴方をそこに案内したいわ。」
「本当に?でも、城下からあまり出てはいけないって・・・。」
心配する麗亞だが、手を取り軽く引っ張る。
静「大丈夫も一人で旅をしている私が居ますわ。城下の少し外れだからすぐに町にも戻れるから。」
いささかの不安もあった麗亞だったが、その言葉に何故か安心してしまい。セイさんがいるのだったら・・・と承諾してしまった。
城下を抜け歩いていくと開けた場所があった、そこには一面に花が咲き乱れていた。
「うわぁぁぁ!!素敵!!! こんな場所があったなんて知らなかった!!」
静「そうでしょう? 城下の中に居ては知らないことも沢山有りますのよ。」
「セイさん有難う!! 私、同年代の人のお友達が居なかったからなんだセイさんと知り合って、その・・・お友達ができたみたいで嬉しかったの。また安土に来た時には、会ってくれる?」
その麗亞の眩しい笑顔に、心の中が少しチクリとした静だった。
(なんなの?この子、これから私が酷いことをするというのにこの笑顔、なんか私が悪者みたいじゃない・・・。)
無邪気過ぎる麗亞の笑顔は憎しみだけで一杯になっている静には眩しすぎる存在だった。