第6章 Happy birthday! ~絶対体絶命編~
静「私、せいと申しますよろしくお願いしますね。」
幸「あぁ、どうも。」
精一杯の色気を放ち挨拶するも、幸村はそっけなく流すように挨拶しただけだった。
(なんなの?この男?私のこの魅力に気づかないのかしら?なんて鈍感な男なのよ、それにこの女ばかりに話しかけて、なんで?趣味が悪いわ!!!)
内心イライラして居る所に後ろから声を掛けられる。
玄「やあ我が姫、こんな所に居たのかい?今日もいつも以上に可愛くて困ってしまうよ。」
そう言って後ろからそっと麗亞の肩を抱く。
「信っ・・」
名前を言おうとしたら信玄が麗亞の唇に人差し指を置き制した。それにかぶせるように幸村が信玄に話しかけた。
幸「信さん!また麗亞にちょっかいかけてどうするんですか?」
それを聞いた麗亞はハッとして言い直す。
「信さんっ、どうしてここに?!!」
玄「それは、聞くのも野暮じゃないか?・・・」
その時信玄はふと隣の女に目をやる。
玄「おや?そちらの見め麗しい女性はどちらだね?」
「あ、こちらは旅の途中の「せい」さんと言います。昨日出会ってお友達になったんです、安土を案内していたんです。」
玄「へぇ~一人で旅をねぇ・・・こんなか弱い女子が1人旅なんて随分大変そうじゃないか。」
チラリと流し目をくれると、静は思わず頬を赤らめた。
静「せいと申しますよろしくお願いします。」
信玄は見極めるような視線を静に送る。何かただならぬ雰囲気が漂う女子だとふと思った。
(この女の違和感は何だ?いや、俺の思い過ごしか?)
静は麗亞の腕を取り甘えるような声で話しかけた。
静「ねぇ、麗亞さんっ、他の場所も案内して下さる?此処だけでは退屈ですわ。他にお勧めの所もお願い。」
「そ・・・そうだね! 他にも色々あるから行こう。それじゃ幸、信さんまた今度!!。」
玄「ああ、姫またの逢瀬を。」
幸「じゃぁな。きをつけろよ!」
2人が手を振り見送る中、静は麗亞をひっぱって町中へ消えて行った。
玄「幸、二人を追え。なんかあの女子、妙な雰囲気がある。」
幸「えぇ、なんか微かに殺気立ってましたね。女一人で旅とかぜってー怪しい。」
そう言うと、露店を片付けると。麗亞と静の後を追った。