第6章 Happy birthday! ~絶対体絶命編~
その麗亞の発言に信長は驚いた顔をして真剣な面持ちで問うた。
長「どこにいくつもりだ?よもや、五百年先の未来へと帰ろうと思っているのではないか?」
気軽に発言したつもりが、どうやら信長は真剣に受け取ったようで、言った本人もびっくりした。
「ふふふっ・・・そんな帰りませんよ。例えば、の話です。」
それを聞いて安心したのか麗亞を知らぬ間に強く抱きしめていた力を少し緩めた。
長「例えばでも、そのような話をするな。お前がどこかに行くという事はあってはならない。お前は、ずっと私の側にいなければならない。決して離しはしない。」
信長の髪を優しく梳きながら麗亞は信長に諭すように話した。
「私は、ずっと側に居ます、いつでも信長様を温められるように。離れたりしません。ただ、遠征などで居ない時には一緒にはいられませんが。」
長「いや・・・今度から他国への遠征もお前を連れて行く。此度の遠征でよくわかった。周りの国にもお前を連れて行き、皆にお前を知らしめてやるのだ。お前が居ない時間は耐えられない。」
信長のその気持ちに心の中が暖かくなり、幸せな気持ちでいっぱいになった麗亞だった。
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--5月11日--
明日はいよいよ信長様のお誕生日会。色々と買出しも終わったしプレゼントももう出来上がっている。他に何か足りないものが無いか麗亞は市に出てきた。それに昨日会った、セイさんの話も聞きたいし!久しぶりに同性の友達ができたようで何だかワクワクした。
セイさんが言っていた宿屋の前に行きチラリと宿を覗いてみると、ちょうどセイさんが外に出てくるところだった。
「セイさん!!こんにちわ!」
静「あら麗亞さんこんにちわ。丁度逢いたいと思っていたの色々と町を案内して欲しくて。」
「もちろん喜んで!!」
2人で市を散策し始めた。すると見た顔が露店に居た。
「あっ、幸・・・。」
幸「あぁ、麗亞かどうした?また何か探しに来たのか?」
「この前は有難う!。」
(なんなの?この男前は、この女の知り合いのようだけど。)
静「この方はどちら?」
麗亞の小袖を引っ張った
「あ、こちら、露店商の幸(ゆき)だよ!。」
(幸村って言わない方がいいよね。一応敵地だし。)