第6章 Happy birthday! ~絶対体絶命編~
信長にそろりと近づいてそばまで来ると、腰に手を掛けられてぐいと引き寄せられる。
「あっ・・・」
向合わせで信長をまたぐ形になった麗亞は顔を赤らめて、思わず俯いた。
長「顔を見せよ・・・。」
両手で優しく麗亞の頬に手を当て自分の目の前にもって来る。その赤く燃える瞳に見つめられ。胸の鼓動が一段と落ち着かなくなる。
「信長様・・・・。近い・・です。」
恥しがる麗亞を面白がるように益々顔を近づけニヤリと微笑んだ。
長「私のモノだ、確認して何が悪い。暫く忙しくしていたから、お前が足りないのだ。」
「信・・なが・・さま。」
(私だって、信長様が全然足りなかった。・・・帰って来たのに全然かまってくれなくて。)
そう考えるとちょっと不満が溢れてくる。
長「どうした?急にふてくされて? お前はすぐに顔に出る、おおかた、今頃、ほおっておかれた不満でも思い出したんだろう?」
「なっ・・・。」
思ったことを言い当てられて、思わず目を見開く。
長「ふっ・・・当たりか。そうふてくされるでない。こうやって仕事を終わらせてお前をこれから構い倒してやる。だから機嫌を直せ。」
そう言って麗亞の唇にそっと口づけをした。
「ん・・・ぅ・・・。」
信長はそうして麗亞を抱きしめ、その温かさを確かめるように絨毯の上に倒した。
「の・・・信長様っ・・・」
長「文句は聞かん。とりあえずお前の体温で私を温めろ。」
麗亞はその言葉にハッとして、おずおずと、信長の背中に手を回して抱きしめた。
目を閉じて麗亞の躰を抱く信長はまるで、甘えん坊の子供の様でなんだかくすぐったくも有り、可愛くもあった。あの魔王とか鬼とか言われている人がこんなにも甘えん坊何て皆が知ったらどんな顔するんだろう・・・。少しおかしくなった。
「信長様・・・無理はしていませんか? 疲れているなら、早めに休んでください。」
長「無理はしておらぬ。俺はやるべきことをやっているだけだ。辛い、疲れたなどと思っている暇はない。」
「それでも、時々、私を頼ってください。でないと・・・。私が寂しくておかしくなりそうです。」
思わず本音がポロリとこぼれる。
「あまりほおっておかれると、私どこかに行ってしまいますよ?」